首周りの痛みと右腕に怠さがあり、右手の親指と人差し指にシビレが。
【上肢(肩~腕~手指)のシビレが出る疾患】
肩から腕、或いは手指にシビレが現れる疾患には「頸椎(首)ヘルニア」「変形性頸椎症」「絞扼性神経症(胸郭出口症候群、肘部管症候群、手根管症候群)」など様々な疾患があり、徒手検査による鑑別診断を行い、場合によっては整形外科に紹介状を書き、MRI診断等の検査依頼とご高診をお願いすることもあります。
【傷病名】
頸椎症性神経根症 50代男性
【負傷原因】
普段からパソコンや読書をすることが多く、首を下に向けている時間が長いことが原因で首への繰り返しの負荷が掛かり、首周辺の退行性変性を助長し、筋緊張と神経圧迫を起こしてしまったものと考えられる。
【初検時】
首を左に傾けて(左側屈)上を向く(後屈)と右肩甲骨周辺に痛みを感じ、右腕の上部と右の脇の下(腋窩)に重だるさが現れる。さらに、右手の親指と人差し指にシビレが現れる。
【治療法】
首周辺と右の肩の前後の筋肉の緊張を緩め、神経圧迫の回避を試みた。さらに首周辺の負担を減らす為、長時間、首を下に向けないように指導。
【本症例の治療経過】
週に1回の通院ペースにて、治療を続け1ヶ月が経過した頃、右肩甲骨周辺の痛みは消失したものの、右腕の上部と右の脇の下(腋窩)の重だるさと右手の親指、人差し指のシビレは残存し変化が見られなかった為、提携の整形外科の医師にご高診とMRI検査を依頼した。検査の結果、首の骨の隙間が狭くはなっているが、ブロック注射や手術というところまでではなく、そのまま今まで通りの治療を継続してよいとの回答をいただいた。
患者様には現状の治療を続け、さらにご自身で首周囲の筋力強化と柔軟性の向上の為のストレッチを指導し、神経圧迫を回避し、首に掛かる負担を分散させる為、過剰な負荷を抑制するように指導した。
このような説明を患者様に理解してもらい、継続的な治療と本人の努力によって、徐々にシビレや重だるさも消失していき、3ヶ月後には完全に気にならなくなるまでに回復した。その後、再発もなく順調に生活している。